配信中の連載、『泉美木蘭のトンデモ見聞録』
「どっちが不平等? 『生涯未婚男女』と『ジェンダーギャップ』」
では、未婚男女の90%が「結婚したい」と考え、結婚した夫婦は、
他人にとやかく言われなくとも「2人以上の子どもを持つのが理想」と
考えていることを、データでご紹介しました。
また、未婚女性の多くは、結婚相手に「年収400万円以上」を求めるが、
未婚男性のうち、その条件を満たすのは、たった25%しかいない、
という実態も。
コメント欄には男性からのご感想をいただきました。
例え結婚出来たとしても、配偶者にも働いてもらわなければ困るし、子供を持つ
自信もありません。ちなみに僕の友人や職場の人達も、30代、40代で未婚の
人達なんてザラにいます。
今のご時世で結婚し、子供も持ってる人を見るたびに、凄いなと思ってしまいます。
結婚って、今や贅沢なものになってしまったのでしょうかね。
そう。男性にとって、結婚は「贅沢品」であり、そして、収入が高くて
あえて結婚しない女性にとっては、結婚は「嗜好品」なのです。
夫婦共働きでなければ到底結婚できない。妻は保育園が確保でき
なければ働けない。妻だけの問題ではなく、結婚生活の破たんに
つながる事態になっているから、『保育園落ちた日本死ね』が共感を
呼んだのですよね。
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人口が減少するのだから…という本音もお偉い方々の口から聞こえてきます。
本当に少子・高齢化を問題と思われているのか疑問です。
普通、当たり前、平凡が今どれだけ難しいのか解ってほしいです。
「少子化だ」「高齢化だ」、とは言うばかり、結局は、「次の選挙の票だ」
「せっかく買った終の棲家を子供の騒音から守りたい」という、自分の
既得権益確保のために問題の直視を避ける勝ち抜け組。
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老後の資金を地道に用意する事だけを考えています。自分の事だけで身勝手
だとおもいますか?
を作れば、たちまち消え去るんじゃないかなあと思うけれども、
投資で自分の老後資金を用意することだけを考える、そうですよね、
これが現代の賢い選択、として多くの男性が証言している事実です。
「結婚したら生活が立ち行かない」
「子供を産みたがる女性の将来をとてもじゃないが背負えない」
この声を、「結婚しなさい」「子供を産みなさい」とばかり言う人々は、
どうとらえるのでしょうか?
安倍政権の新・三本の矢とやらを実現するために、
「一億総活躍国民会議」なるものが設置されましたが、 (首相官邸ホームページより)
我が国の構造的な問題である少子高齢化に真正面から挑み、「希望を生み出す強い経済」、
「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」の「新・三本の矢」の実現を目的とする
「一億総活躍社会」に向けたプランの策定等に係る審議に資するため、「一億総活躍国民会議」
が設置されました。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/
この一億層活躍国民会議が、「出生率を上げる方法の1つ」として
提言したのが、不妊治療支援の拡充。
そして今年4月1日、金融庁によって、民間の生命保険会社による、
不妊治療保険商品の発売が解禁されました。
私には、高額で苦痛を伴う不妊治療に長期間苦しんだ末、元気な
子供を産み、幸せに子育て中の友人がいるし、
治療中の女性たちのとてつもない心身の苦しみも聞いているので、
「金銭面で助かるようになり良かったね」
と言うしかないです。反対も否定もしません。民間のことだしね。
しかし、『社会全体の少子化』というものを考える視野になれば、正直、
その保険にお金が使える家庭というのは、そもそも「結婚する」という
ハードルを突破した、ある程度の余裕の伴った層であって、
これを、政府が、
置かれた大きな問題は置き去りにしたまま、
「出生率を上げる方法の1つ」とした考え方には、大きな疑問を抱きます。
「国全体の出生率の底上げ」を考えるならば、政府としては、
結婚も出産も、「させる」ものではなく、
環境が整えば自然に「そうなっていく」ものと捉えるべきでは?
民間の保険よりも、生活の基盤であるそもそもの仕事や、保育の制度、
教育費など、贅沢でなくとも衣食住の環境が整っていれば、
「結婚したい」「2人以上子供がいることが理想」と考えるほとんどの人は
自然に若いうちに結婚するようになり、出生率はそこに伴った現象として、
上がるものなのだと思います。
その根本を無視して、金の出せる人だけが結婚できて、出産できる社会を
突き進めていく。
そこに未来がありますか?
なお、「トンデモ見聞録」後半に取り上げた、『ジェンダー・ギャップ指数』
については、笹幸恵さんとの『ゆきりん・もくれん淑女我報』で、じっくり
おもしろーくツッコミ入れまくっています。
笹さんの切れ味、サイコーですよ!
配信をお楽しみに